こんにちは。
いつもお世話になっております。ウールが大好き北井です。
ラグモアや姉妹店のびっくりカーテンでいろいろな絨毯に触れる機会が多くなり、日々勉強中の私です。
いろいろな織り方やカーペットの製法もたくさん種類がありますが、
製品の素材という点はやっぱり興味が尽きないところです。
先日、サスティナブルラグ「サステナ」ご紹介の回、
Carpet Life VOL.68 サスティナブルラグ<Sastena – サステナ->のご紹介。
↑でもお伝えさせていただきましたが、好きな言葉が「サスティナブル」です。
地球環境に配慮した持続可能な社会を実現するためには、
地球の負担にならないことが一番となり、「あるものを活用する」ということが重要だと思います。
サステナのように世の中にあふれるペットボトルをリサイクルすることも一つですし、
地球にも負担が少ない自然由来のもの【天然素材】を上手に活用するのも一つです。
古来からカーペットやラグといった絨毯の材料にはウールが使用されてきました。
ウール=毛 となりますが家畜などの獣毛からで作られた繊維となり、
絨毯の場合、一般的には羊の毛から作られております。
保温性がよく、セーターやマフラーのイメージからモコモコで「冬に温かい」という印象ですので、
「夏は暑くて無理でしょ。」というイメージの方もいらっしゃいますが、
吸湿発散性に優れており、調湿機能を備えている素材なので
実は夏は涼しく、冬は温かくご使用いただける素材になります。
これは人間の髪と同様、繊維の表面にうろこ状のキューティクルがあるためで、
湿度を含むとうろこが開き、表面でうまく放湿してくれる性質があるのです。
この作用により、熱も湿気も逃がすので快適にご使用いただけるというわけです。
このように、オールシーズン快適にご使用いただくことができますのでラグ・カーペットには代表的な素材ですね。
また、ウールはお手入れが大変!というイメージの方もいらっしゃると思いますが
実はお手入れの面でも優れものなんです。
撥水性に優れているので水溶性のものははじいて汚れにくく、
何かをこぼしてしまった時も乾いた布でつまむように拭いたあと、よく絞った布で拭いていただければOKです。
抗菌、防臭効果もあり、空気中の有害物質を吸収してお部屋の空気をきれいにしてくれる。という効果も期待できます。
ウール以外にも、その他いろいろな素材がありますが、
それぞれメリットやデメリットがあり、代表的なものの特徴をまとめた記事がございますので、よろしければご覧くださいませ。
当店でもウールのラグをたくさん扱っております。
おすすめのシリーズをご紹介させていただきますのでぜひご覧くださいませ。
・おすすめ①ベニワレン
ベニワレン、あまり聞かない名前ではありますが、モロッコに住むベルベル民族が作る手織りのラグのことです。
ベルベル人は手織りカーペットづくりを生業としているのですが「ベニワレン」という高地の村で手織りされています。
素材となる羊毛はモロッコでも最も良質なアトラス山の羊毛を100%使用。
冬には雪が積もる過酷な寒さのアトラス山脈、そこで暮らす羊の毛は身を守るためにもこもこの良質な毛になります。
その贅沢な毛を贅沢に使用して一枚一枚丁寧にお仕立てしています。
デザインも個性的で一枚一枚違いますが、当店でも人気のダイヤの格子柄は、「家を守る」という意味があるそうです。
願いを込めて一枚一枚丁寧に織り上げたラグは一点物の大変希少性の高い一枚です。
伝統的なデザインですが、西海岸テイストやナチュラルテイストにもよく馴染み、アメリカやヨーロッパでも大流行。
ベーシックで汎用性の高いデザインですのでコーディネートにも取り入れやすいですね。
モロッコで活躍する現地バイヤーが、びっくりカーテン、ラグモアのために直接職人から買い付けております。
どれも完全に一点物で同じものはなく、他のお店にはない希少で面白いデザインを中心に仕入れていますので、
当店でしか手に入らないものばかりです!
・おすすめ②インドギャッベ
ギャッベには有名なもので「ペルシャギャッベ」がありますが、
インドで作られるギャッベはこのペルシャギャッベの感性豊かなデザインに影響を受け、
アレンジされた素朴なデザインが特徴です。
「ハンドルーム」という手織り機を使用して織り上げられたラグはボリュームもたっぷりで快適にご使用頂けます。
・おすすめ③ルーア
ラグモア、びっくりカーテンオリジナルの大人気商品です。
一見無地に見えますが、単色ではなく違う糸を織り込んだミックス感が高い風合いが魅力。
ナチュラル感たっぷりで温もりを感じる風合いでオールシーズンご使用いただけるラグです。
ウール特有のチクチク感を軽減するためにポリエステルを混合し踏み心地のいいラグに仕上げました。
縁にあしらわれたボサボサのフリンジがゆるくアクセントとなり、
いろいろなテイストのインテリアコーディネートやシーンにマッチします。
サイズや形もバリエーション豊かで、
ホットカーペットや床暖房にも対応、寒い冬も活躍すること間違いなしです。
最後に、「遊び毛」についてお話させていただきます。
当店の商品に限らず、カーペットには、「遊び毛」が必ず出ます。
素材によって出やすさは違いますが、ウールの製品は出やすく、
特に新しくご使用からしばらくは必ずと言っていいくらい出てしまいます。
遊び毛はカーペットの製法、使用している糸(パイル)の成り立ちから発生するものとなります。
カーペットを作製する際、色々な手法がありますが、
短い繊維を撚り合わせて糸(パイル)にして織り上げたり、パイルを土台部分の生地に植え付けて作成したりします。
この土台に届いておらず糸に挟まっている短い毛が、カーペットの上を歩いたり、
触ってモフモフしたりとご使用いただくうちに少しずつ抜け出て現れたものが「遊び毛」です。
「遊び毛」は新品に近いほど多く発生し、掃除機がいっぱいになるくらいに出ることもございます。
抜けていくうちに短い毛の量も減ってくるので、ご使用いただくにつれて少しずつ軽減されていきます。
残念ながら遊び毛が完全になくなることはなく、
こまめに掃除機などをかけていただくなど、日々のケアをしていただき、
落ち着いてくるまで根気よくご使用を続けて頂くのが一番の解消方法です。
遊び毛については大量に出続けますので、
大変驚かれるお客様も多く、不良品ではないかとご心配を頂いたり、
お叱りのお言葉をいただくこともございますが、
どれだけ遊び毛が出てもはげてしまったり、毛がなくなるということはまずありませんのでご安心頂けましたら幸いです。
落ち着くまではお手間をおかけいたしますが、
製法・構造によるものとなり、いわばカーペットの特性というものですのでご了承をいただけましたらありがたい限りです。
なお、この遊び毛、実は悪いばかりのものではありません。
日々遊び毛を除去していただくことで、実は遊び毛と共に表面の汚れやホコリなども取り除くことができ、
部分的に目立つような汚れも少しずつ消えてきれいになってきます。
絨毯自身が遊び毛を出すことで、きれいに保つ自浄作用のメカニズムがあるというわけです。
ウールのカーペットはメンテナンスを丁寧に行えば何年にも渡って長く見た目も美しくご使用いただけます。
大切に丁寧に長く使用するということも一つのエコですので、
ぜひご検討をいただき、末永くご愛用を頂けましたらありがたくございます。
もし世界が崩壊し世紀末状態になったとしたら、私はウールのラグを一つ持って旅に出ようと思っています。
ご覧いただきありがとうございました。
今回のCarpet Lifeは北井がお送り致しました。
今後ともラグモアをよろしくお願い申し上げます。